精神面に不調が出たり、考え直すこと、整理しなければならないことが出てきたり、身体的にきつさを感じられた方も多かったのではないでしょうか。
私たちは節目という言葉をよく使いますが、ものごとには必ず、区切りや転機があります。
続いていくように見えるようなものごとでも、区切りのとき、仕切りなおしのときはやってきます。
立春とは24節季のひとつで、節分の翌日から雨水までの期間(2月4日~18日)を指しています。
前年の締めくくりである節分、新しい年の始まりである立春。
エネルギーシフトともいえるような、大きな節目になるような予感がします。
2月8日は立春を迎えての初めての新月、旧暦ではお正月です。
それは曇りのない澄み渡った、神々のいらっしゃる世界というイメージ。
そこで、霊山戸隠山の麓にある、戸隠神社の奥社に向かいました。
この時期の戸隠は、真っ白な雪に包まれた白銀の世界です。
蕎麦屋や宿坊の並ぶ中社を過ぎ、奥社参道の入り口へ来ると人の気配が消え、一気に別の世界へ引き込まれます。
ここから奥社まで、戸隠古道の参道を2kmほど歩きます。
参道の中間地点には山門「随神門」が建ち、そこから先は樹齢400年の巨杉が両脇にそびえ立つ並木道を進みます。
訪れた日は快晴で、太陽が雪化粧をした木立を照らし、一面の銀世界は眩いばかりです。
まっさらな雪をキュッキュッと踏みしめる音。
野鳥の声。
木々から時折、雪がサラサラと落ち陽の光を受けキラキラと光るさま。
光にあふれた、その世界は美しさしかありません。
両脇の巨杉を見上げ、木漏れ日の暖かさを感じて歩くと、嬉しさがこみ上げてきます。
溜まっていた疲れや、古い思考や思い込み、そういったものは歩くごとに一掃されていくかのようでした。
奥社に到着し明るく輝く白い戸隠の山々を眺めていると、驚いたことにさらに喜びと力が湧き上がってくるのです。
山の奥にある奥社は、冬の間、雪で閉ざされています。
その間にこの場は、純白の雪によって浄められ、山の神気をたっぷりと溜め込んでいたのでしょう。
戸隠に来るまでは、雪だし寒いし大変だと「頭で考えて」いました。
でも実際に来てみると、光り輝く世界がこうして迎え入れてくれたのです。
思考は時に、私たちの行動を妨げるようなことをささやきます。
頭で考えるのではなく、感じること。
水瓶座の新月は、停滞した状況を打破して、新しい可能性を見せてくれます。
慣れ親しんだ世界から未知の世界へ踏み出してみましょう。
春はもう始まっているのですから。
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藤本ゆり
チャネラー。高次の存在、自然からのメッセージを受け取り伝える。
聖地巡礼ツアーや様々なワークショップを積極的に行っている。
近年ヒーリングに気功を取り入れるなど、常に自身を進化させている。
写真:井田宗秀 http://ida.viewbook.com