算命学は、古代中国で生まれ、その歴史は古く、戦の戦略を立てるために用いられたり、時の権力者が自分自身の運命を知るために活用したりしたといわれています。
日本には、高尾義政(たかお よしまさ)氏によって、単なる占いという側面だけでなく、人間の宿命や運命を解き明かすための学問として伝えられました。
なお、算命学にはさまざまな流派が存在します。その一つである高尾学館は、高尾義政氏が自ら算命学の理論を体系化し、それを広めるために高尾宗家によって設立された学校です。
また、朱学院は、算命学の教えを独自の切り口で忠実に継承し、多くの門下生を育成している専門学校です。それぞれの違いとしましては、高尾学館が節入り日を数えないやり方で星を出すのに対し、朱学院は節入り日を数える方法で星を出します。
※節入り日‥月の始まりの基準となる日(例:立春など)
流派の違いにより、人によっては違う星が出ることもあります。どちらが正しい・間違っている、ということではないので、ご自身で命式をみたときに直感でしっくりくる方を選ばれると良いかと思います。
◇宿命を「活かす」のが算命学
多くの方は運勢を見て未来を知りたいと思うかもしれませんが、算命学が最も大切にしているのはそこではありません。自分の命式を知り、自分自身を深く理解できることこそが、算命学の最大のポイントであり、メリットです。
たとえば、自分の命式を見て「まさに私のことだ!」と感じたり、周りの人から「あなたっぽいね!」と言われたりすることがあります。これは、あなたの命式にある星(=個性や才能)が、あなたの本来の姿としてしっかり活かされている証拠だと言えるでしょう。
逆に、「命式が自分っぽくないな」「しっくりこないな」と感じることもあるかもしれません。そんな時は、命式の星がうまく活かせていない状態、つまり陰転(いんてん)している可能性があります。ここで言う<陰転>とは持って生まれた才能や個性が、何らかの理由で発揮できていない状態を指します。算命学は、その状態に気づき、「どうすれば星を陽転させられるか」、「どうすれば自分らしく輝けるか」を考えるヒントをくれます。
◇宿命通りに生きるとは?
<宿命>とは、あなたが生まれつき持っている性質や、与えられた役割のこと。
算命学ではこの宿命に沿って生きることが、人生をスムーズにし、運命を切り拓くことにつながると考えられています。
自分の本質を理解し、それに合った努力をすることで、あなたらしい輝く人生を送れる、というわけです。命式にある星を知り活かすことで、運は自然と開けていきます。
◇どんな時に算命学を活用すると良いか?
私たちの人生には、迷いや岐路がつきものです。
「この道で本当に合っているのだろうか?」
「なぜ、いつも同じような問題にぶつかるのだろう?」と感じたことはありませんか?
そんな時、算命学はあなた自身の可能性を広げ、人生をより豊かにする「知恵」を与えてくれます。では、具体的にどんな時に役立つのでしょうか?
① 転職、就職、起業の時期を見極めたい場合
算命学では、運気の流れや適した時期を知ることで、成功しやすいタイミングを把握できます。
② 結婚や離婚、引越しなど、大きなライフイベントを控えている場合
人生における重要な決断の際に、現在の運気や今後の展開を予測し、より良い選択をするための参考にできます。
③ 運気が停滞していると感じる時、あるいは運気を上げたい時
いわゆる「天中殺」のような運気の低下期を知り、その時期の過ごし方や、開運するための具体的な行動を導き出すことができます。
④ 家族、恋人、友人、職場の同僚など、特定の人との相性を知りたい場合
相手の性質や自分との関係性を理解することで、より良いコミュニケーションの取り方や接し方を見つけるヒントになります。
⑤ 子育てや教育に悩んでいる場合
子どもの生まれ持った宿命や才能を知ることで、その子に合った育て方や伸ばし方が見えてきます。また子育てに算命学を活かすことで、親だけでなく家系全体の運気を良い方向に変えることができるとも言われています。
◇「人間万事塞翁が馬」
算命学で大切にされている言葉に「人間万事塞翁が馬(にんげんばんじさいおうがうま)」があります。これは、「人生の良いことも悪いことも、いつ、どう転ぶかわからない」という意味のことわざです。一見悪いことに見えても、それが後々良い結果につながることがあります。その逆もまた然りです。どんな出来事も「これで終わり」ではなく、未来につながる一つの経験として受け止めることで心が育まれます。
自分の宿命を知り、それを活かしながら努力する。そして、どんな状況も前向きに捉える。
これが、算命学が教えてくれる、豊かな人生を生きるためのヒントなのです。