聖地との響き合い(9)~生きるという美しさ~

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春の景色といえば、やはり「」。
今回は日本三大桜のひとつである「山高神代桜」を愛でに山梨県北杜市の実相寺へ。
田畑を抜け広い境内に入ると、淡い紅色の花をつけた見事な桜の木々が出迎えてくれます。
足元には白と黄色の水仙が一面に咲き、背景には白い冠雪を纏った雄大な南アルプスの山々。
春の色彩は優しく、気持ちが華やぎます。
しかしながら山高神代桜の前に立つと、その神々しい姿に自然と手を合わせたくなります。
推定樹齢2千年とも言われるエドヒガン最古の老木。
その風格に、古木に神が宿るというのを肌で感じるのです。

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近年、周辺環境の変化によって土台となる根・土が弱り、木が枯れはじめました。
時間をかけて土壌を改良するという地元の方々の懸命な努力が実り、再びこの樹は甦ったのです。
2千年という途方もない月日を経てもなお、春になると花をつけ、いのちの力強さで私たちを魅了します。
この桜の神々しさは、その姿にすべて現れています。
いのちの誇り、甦りの力がかたちとなって現れているのです。

 

私たちは時間をかけて、自分というものを作って来ました。
しかしながら周囲の環境も変化します。
私たちを取り巻く環境が変化したとしても、大切なのは生きるという意思を持つこと。

この老木は、環境が変化する中でも、常に生きるという選択をし続けています。
その意思の強さが、自らを甦らせることにつながったのではないかと感じさせるほどです。

その姿は、木というよりまるで神様の降臨する磐座のように変貌しています。
まるで「指輪物語」に登場する樹木の精霊エントのよう。
この老木と向き合うと、今にも太古からの智慧のささやきが聞こえてくるようです。
ふと、「今まで色々なことが起こったものだ。」という古木の精の声が聞こえたように感じました。
老木を見て、気づいたことがあります。

変わらないでいることに価値があるわけではなく、自分を生かし続けることが大切なのです。
生き続けるとは変化し続けることなのかもしれません。

老木に咲く花は、光を放っていました。
桜の周りに人が集まるのは、そのいのちのきらめきに、希望の光を見るからなのでしょう。

<神代桜> 
山梨県北杜市武川町山高2763 実相寺

 

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藤本ゆり

チャネラー。高次の存在、自然からのメッセージを受け取り伝える。

聖地巡礼ツアーや様々なワークショップを積極的に行っている。

近年ヒーリングに気功を取り入れるなど、常に自身を進化させている。

写真:井田宗秀 http://ida.viewbook.com

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