[お百度参りの作法]
一般に二通りの方法があります。
①一日一回の参拝を百日間1日も開けることなく行う方法
②一日で百回繰り返して参拝をする方法
・鳥居の前で最敬礼する。
・手水舎で身を清める。
・拝殿本殿前で心込めて参拝する。
・入り口まで戻り、また拝殿本殿前で参拝を行う。
・これを百回(百度)繰り返す。
神社やお寺によっては「お百度石」が置いてあります。
この石を目安に拝殿本殿まで行き来します。
神社やお寺によっては参拝した回数を数えられるよう、百本の紙縒りの束や竹串が用意されていたり、そろばんのような算盤が備え付けられたりしているところがあります。
そのような用意がされていない所では、硬貨を百枚用意し、参拝の度に賽銭箱に入れていく方法が良いでしょう。
◆どちらの方法でも必ず守らなければいけない事があります。
・お参りの間は話してはいけません。
・ネガティブな願い事はしない。
願いが強いほど、これから起きる出来事に及ぼす影響が大きくなります。当然自分自身にも降りかかるということを心得ましょう。
そして
◆願いが叶ったら、その神社仏閣へ「お礼の参拝」をしましょう。
誰かに何かお世話をしてもらった時には、お礼を伝えるのが礼儀です。それは神様に対しても同じこと。 出来るだけ間をおかず、早めにお参りに行きましょう。
[民間信仰から芽生えたお百度参り]
お百度参りと聞いて、自分だったらやろうと思いますか?
心の中で何回神様にお参りしたらいいだろう、と考えてみます。
一回より二回、さらに回数を重ねて百回ならきっと神様のお力添えがあるに違いない、と思いますよね。
本来お百度参りとは百日もの間、神社仏閣へ通って心願成就を祈るものでした。
平安末期にはすでに行われていたようです。
何度も神様仏様のもとに行き、自分を覚えてもらう。
熱心に祈り、ひたむきさを伝える。
この願掛けは、神社やお寺が決めた作法ではありません。
そのころから社会に深く浸透していた民間信仰であったようです。
神様や仏様に近づくために、人々の間から自然と芽生えてきたのでしょう。
山形県の出羽三山神社には、「千誦三語」というお札があります。
毎年8月下旬に行われる山伏の修行「秋の峰」。
全国から集まった山伏たちは、家族や知人から寄せられた祈願を携えてお山に入ります。
その祈願ひとつひとつに、百人余りの山伏たちが神拝詞を十回、繰り返し唱えます。
そうすることで、つごう千回分の加持がお札に込められていくのです。
一つの想いを百回千回と祈願することで、神様のエネルギーをより強く受け取る。
このことは昔から知られていたのです。
[利他の心]
そもそも願掛けは誰のためにやるのでしょう。
自分自身のため?
そうであったとしても、自分が良くなることであなたの周りが幸せになることを考えてみてください。
自分の病気治癒などの願いであっても、心配をかけている周りのことを思う。
学問や仕事の成就であっても、結果世の中に貢献できることを願う。
恋愛においても、お相手の方(まだ見ぬ方であっても)と互いに高め合い成長できるよう、お祈りする。
他者を思う気持ちはとても尊いものです。
人のためを思っての願い事は、叶いやすいとされています。
お百度参りに限らず、祈願する時は大切な人の幸せを願いましょう。
[まとめ]
神様や仏様の前でお祈りするとき、どうすれば素直になれるのでしょう。
どうすれば正直な姿でお祈りできるのでしょう。
何度も何度も回数を重ね、神仏と向き合う。
心を平穏に保ち、願い事に集中する。
そうすることで雑念が払われ、願いが明確になり本気の心眼が開きます。
こうした状態のときは神様と繋がりやすいのです。
さらに一心にお願いすることで、自らにも前向きな気持ちや覚悟する勇気が芽生えてきます。
お百度参りは日常とかけ離れた行為です。
それほど気軽にできることでもありません。
ですが、そうした「普段と違う行い」が運を引き寄せるのです。
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